ミュージアムパーク茨城県自然博物館では，県内の自然に関する資料や情報を集約することを最も重要な調査活動と位置づけ，動物・植物・地学の３分野にわたった調査（総合調査）を計画的に実施しています。

　２０００～２００２年度には，第３次総合調査として茨城県北部地域の自然を調査しました。この地域は，海岸からいっきにそそり立つ阿武隈山地までの標高差が大きく，そのために変化に富んだ自然が存在します。今回の調査では日本初記録種を含め県内初記録種が２０種あまり確認され，また，これらの自然を支えてきた地史や気象現象等についても，新たな知見を得ることができました。３年にわたる調査活動は，たくさんの研究者や市民のみなさんのご協力により，まさに市民との協働を図ったプロジェクトとして実行できたと言えます。
　今回の企画展では総合調査の成果を中心に，この地域の貴重な自然の姿を紹介していきます。この企画展をきっかけとして，さらに多くのみなさんとともに「海・山・川」それぞれの自然情報を共有し，自然と人間の共生にむけて将来の夢を綴っていければと思っております。