館長挨拶
ミュージアムパーク茨城県自然博物館は「過去に学び、現在を識り、未来を測る」を基本理念に掲げ、新しいタイプの博物館を目指した自然史系博物館として1994年にオープンし、今年で28年目にあたります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度は春先と冬に合計2ケ月程度、2021年度は夏を中心に3ケ月以上の休館となりました。2022年度になっても新型コロナウイルス感染症が収まらない状況です。現在も、人数や一部施設の利用を制限しながらの開館となっておりますが、密集密接を避ける工夫をしながらイベントを実施するなど、徐々に本来の博物館としての活動を復活させてきております。
当館は来館者に「自然に親しんでいただく体験」を提供することが大きな役割と考えていますが、各種体験活動の提供が難しい現状では、十分に満足いただけていないのではないかと心配しているところです。コロナ禍以前は年間約50万人を数えた入館者数が、2020年度は約25万人と大幅に減りましたが、2021年度は約28万人の方々に来館していただき、徐々にではありますが回復している状況が見えてきております。これは、当館を利用してくださる来館者の理解と支援のおかげと思っています。
今年度は、現在開催中の「コレクション」展の後に「昆虫」、「ときめく石」、「自然の中の色」展と続きます。多くのお客様に楽しんでいただくため、展示には工夫を凝らしてまいります。長期的な課題として常設展示の大幅なリニューアルを掲げていますが、すぐに対応することが難しいため、企画展で利用した多くの展示物を常設展に移設することで、内容の充実を図っております。新型コロナウイルス感染症の影響により開催期間が短くなってしまった「さくら」展や「ブナ」展など、当時来館できなかった方々にもご覧いただけると幸いです。野外施設も少しずつ改修しています。しばらくは、現在のように新型コロナウイルス感染症による影響が続くものと思いますが、新型コロナウイルス感染症が収束し、以前のスタイルによるイベント実施やトランポリン及び水の広場が利用できるようになり、来館者が十分満足できるものになることを願っています。
今年度も、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に取り組むとともに、来館する皆様の期待に応えていけるように博物館の充実を心がけ、茨城県民の皆様だけでなく全国の皆様にも満足していただける施設として、職員が一丸となり運営してまいります。
今後も多くの方に来館していただければ幸いに存じます。
職員一同心から歓迎いたします。
2022年4月
ミュージアムパーク 茨城県自然博物館長 横山 一己