日本は狭い国土にもかかわらず豊かな植物相に恵まれ,種子植物とシダ植物を合わせると約7,000種※が生育しています。しかし近年,開発行為や園芸目的の採取などの人間活動の影響や,逆に身近な雑木林や湿地などでは人の手が入らなくなることでそれまで維持されてきた環境が変化し,多くの植物が絶滅の危機に直面しているといわれています。
環境省は,全体の約4分の1にあたる1,690種の植物を絶滅危惧植物に指定し,それらを守るための策を講じています。さらに,私たち人間生活の豊かさのためには,特定の種を絶滅の危機から守るばかりでなく,生物多様性を維持することが欠くことのできない課題となっています。
この企画展では,絶滅危惧植物のおかれた現状や,その保全に向けての取組みを紹介し,植物と私たちの共通の未来について考えていきます。
※亜種,変種を含む