ふつう「鉱物」というと,その形や色の鮮やかさにばかり目が行きがちですが,最近,身のまわりの環境を考える上で,さまざまな生物が鉱物をつくっている現象「バイオミネラリゼーション」の世界に注目が集まりつつあります。
温泉水などの特殊な水の中にすんでいる微生物は,しばしば皮膜状の群集(バイオマット)をつくり,水の中に溶け込んでいる成分を取り込んだり吸着したりして鉱物(バイオミネラル)をつくりだすことがあります。このような微生物のはたらきによって,水に溶け込んでいた成分が除去される結果にもなります。
私たちの体内でも,さまざまなバイオミネラルが硬組織をつくっています。骨や歯,耳石などはその例ですし,ときには胆石などが生成されることもあります。また,他の生物たちはいろいろな種類のバイオミネラルを利用しています。このようなバイオミネラルの多様さとそのはたらきについて紹介します。
また「結晶は生きている」のコーナーでは,“静的な”鉱物が成長していく様子を,結晶に残された痕跡をたどりつつ紹介します。同時に,鉱物がもつ不思議さ,華麗な美しさに触れてみましょう。
今回の企画展では,鉱物の世界をいろいろな生物とのかかわりという新たな視点から見直しています。太古の世界から現在,そして未来へ移り変わっていく地球の自然環境について考えてみましょう。
過去の企画展示
生きものがはぐくんだ鉱物ー時代は,今,バイオミネラルー
展示構成 |
|
---|
開催期間 | 2000年10月21日(土)~2001年1月14日(日) |
---|---|
開館時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日以降) |
主催 | ミュージアムパーク茨城県自然博物館 |
記念行事 | 記念シンポジウム「人と温泉とバイオ」 2000年11月12日(日) 記念講座「真珠と真珠貝のふしぎ」 2001年1月7日(日) |